こんにちは、仁川延寿区の松島に事務所を構える行政書士です。仕事の中で出会ったあるエピソードを、近隣の皆様にご紹介します。🙂
譲受譲渡契約書の2ページ目、特約事項第5条にこのような文章がありました。
「譲渡日以前に発生した一切の行政処分および過料は、譲渡人が責任を負う。」
店舗を引き継ぐ際の契約書であれば、ほとんど外れない文章です。公認仲介事務所の雛形にも入っていますし、インターネットからダウンロードする標準的な雛形にも同様の文言があります。読むと安心します。前オーナーの時のことは前オーナーが責任を持つという意味だからです。
しかし、この一行が約束してくれることと、約束してくれないことは別々に存在します。二人の間の金銭問題はこの文章で整理できます。しかし、区庁が下す営業停止をこの文章で防ぐことはできません。営業停止は契約書を読んで下されるのではなく、法律で定められた者に下されるためです。
今回の話は、その違いを開業の2週間前に知ったあるオーナーの話です。

契約書が代わってくれないこと
本題に入る前に、飲食店を引き継ぐ際に踏む手順を短くまとめておきます。これを知れば、後の話がずっと分かりやすくなります。
一般飲食店は、区庁に営業申告をして開く業種です。すでに営業申告がされている店舗を丸ごと引き継ぐ場合、新しく申告する代わりに、前オーナーの「営業者の地位」を引き継ぐ方式を使います。これが「営業者の地位承継」の申告です。
「食品衛生法」第39条は、営業者が営業を譲渡する場合、譲受人がその営業者の地位を承継し、地位を承継した者は1ヶ月以内にその事実を申告するように定めています。平たく言えば、店舗を引き継んだ日から1ヶ月以内に「これから私がこの店の営業者です」と区庁に知らせなければならないという意味です。この申告をせずに営業を続けると、処罰の対象になる可能性があります。
地位の承継は、新しく申告するよりも簡単です。店舗の設備がすでに申告当時の基準をクリアしている状態なので、書類中心で処理されることが多いからです。そのため、権利金を払って店舗を引き継ぐ方のほとんどがこの道を選びます。
しかし、「地位を引き継ぐ」という言葉には、良いことだけが含まれているわけではありません。
「食品衛生法」第78条は、営業を譲渡した場合、以前の営業者に下された行政処分の効果が、その処分期間が終わった日から1年間、譲受人に承継されると定めています。処分手続きが進行中である場合には、譲受人に対してもその手続きを継続することができるとも書かれています。つまり、前オーナーの時に発生した違反が、新しいオーナーの店舗の営業停止につながる可能性があるということです。
ただし、同じ条文には一つの但し書きが付いています。譲受人が譲受する際に、その処分や違反の事実を知らなかったことを証明すれば、そうならないということです。
今回の話の半分は、この一行の但し書きにかかっていました。

窓口で聞いた一言
7月第2週の月曜日の午後、電話が一本かかってきました。
36歳の男性でした。仁川延寿区の旧市街地にある路地にあるクッパの店を一つ引き継いだそうです。午前中に区庁の衛生部署に地位承継の申告をしに行ったところ、書類が足りず戻ってきたところだと言いました。
足りなかった書類は、譲渡人、つまり前オーナーの印鑑証明書でした。地位承継の申告には、譲渡・譲受を証明する書類とともに、譲渡人の印鑑証明書を提出するように案内する場所が多いです。その方は、契約書の写しと本人の身分証、賃貸借契約書だけを持って行ったのです。ここまではよくあることです。再度取りに行けばいいだけですから。
問題は、窓口の担当者が書類を渡す際に添えた一言でした。
「この店舗は現在、行政処分の手続きが進行中の件が一つあります。承継されると、処分の手続きが譲受人の方へ引き継がれる可能性があります。ご存知でしたか?」
その方は知りませんでした。契約書に特約があるから大丈夫ではないかと聞き返すと、担当者は契約内容は当事者間の問題であり、処分の判断とは別件だと答えたそうです。マニュアル通りの回答でした。担当者は前オーナーの店舗履歴を確認し、法律で定められた承継規定を伝えたのです。間違った案内は一つもありませんでした。
その方はその場で前オーナーに電話をかけました。前オーナーは「過料で済むはずだから、自分で対応しようと思っていた」と答えたそうです。そして、その後の二回は電話に出ませんでした。
その日の午後、その方は数カ所を調べた末に当事務所の番号を見つけられました。通話を終える際、お持ちの書類をすべて先に写真で送ってほしいとお願いしました。

その方がこの店にかけたもの
その日の夜、写真が届きました。契約書、賃貸借契約書、営業届出証の写し、残金の振込明細、そして前オーナーとやり取りしたメッセンジャーの会話のスクリーンショット数枚でした。
その方はホテルの韓国料理店の厨房で12年間働いていました。出汁を取る仕事を一番長く担当していたそうです。いつか自分の店を持ちたいという思いで貯めたお金に退職金を加え、小規模事業者向けの融資を少し受けて、権利金4,000万ウォンを支払いました。家賃は180万ウォンでした。
家には小学校1年生と5歳の子供がいました。奥様は育児休暇を終え、復職を控えていました。開業日は7月最終週の月曜日に設定されており、ホテルで一緒に働いていた後輩一人に、その日から一緒に働こうと約束していた状態でした。後輩はすでに勤めていた職場に退職の意思を伝えていました。
開業が1ヶ月遅れれば、売上がないまま家賃と融資の利子だけがかかります。営業停止が開店直後にかかれば、状況はさらに悪化します。新しくオープンした近所の店が数週間閉まっていれば、客が再び訪れるまで時間がかかるからです。後輩の給料もその期間にかかっていました。
写真をめくっていくうちに、この件は二つの方向に分ける必要があることが分かりました。一つは、地位承継の届出自体を期限内に無事に済ませること。もう一つは、進行中の処分がこの新オーナーに引き継がれないようにすることです。この二つは互いに関連していますが、一つの書類に混ぜてしまうと、両方の対応が遅れる可能性がありました。
行政手続きは、順序が半分です。

期限から改めて数え直した
水曜日の午後、予約の時間に合わせてその方が事務所に来られました。原本の書類をもう一度照合し、最初に行ったことは日付のカウントでした。 📅
地位承継の届出期限は、承継した日から1ヶ月です。しかし、「承継した日」がいつなのか、書類によって異なっていました。契約書上の譲渡日は7月1日でした。残金を支払い、店の鍵を引き取った日は7月3日でした。わずか2日の差ですが、期限の瀬戸際ではこの2日が問題になる可能性があります。
私は契約書上の譲渡日である7月1日を基準に設定しました。実際の引き渡し日に基づけば少し余裕が出ますが、担当部署がどの日を基準に判断するかは、書類を受け取ってみないと分からないからです。遅めに設定して期限を過ぎるよりも、早めに設定して余裕を持って完了させる方が安全です。そうなれば、7月末までが締め切りとなり、その日はすでに7月16日でした。あと15日残っていたのです。
二番目に確認したのは衛生教育でした。地位承継の届出には、譲受人の衛生教育修了証が必要です。その方はホテルで調理の仕事を長くしていましたが、営業者として受ける衛生教育を受けたことはありませんでした。営業者教育は従事者教育とは異なります。その日の夜、すぐにオンライン教育を申し込むよう案内し、その方は2日後に修了証を受け取りました。健康診断結果書も一緒に準備してもらうようにしました。
三番目は、窓口で聞いた「処分手続き進行中」という言葉を書面で確認することでした。口頭で聞いた説明は、後で記憶が食い違うことが多いためです。私は担当部署に対し、この店舗の処分手続きがどの段階にあるのか、譲受人に引き継がれる場合に譲受人が意見を述べる機会があるのかを整理して問い合わせました。3日後に届いた回答はシンプルでした。6月初旬の点検で違反事項が確認され、事前通知が出されている状態であり、承継が行われれば譲受人にも意見提出の機会を与えるという内容でした。
この回答で盤面が整理されました。戦うべき場所は裁判所でも、不服申し立てでもありませんでした。処分が下される前、意見提出の段階だったのです。

事前通知書はどこへ行ったか
3日かけて散らばっていた事実を、日付順に並べました。
6月5日、区庁の衛生点検がありました。調理場の冷蔵庫で、賞味期限の切れた原材料が調理用として保管されていたことが確認されました。前オーナーはその日、確認書に署名しました。
6月12日、現在のオーナー様が食薬処(食品医薬品庁)が運営する食品安全情報サイトで、この店の名前で行政処分の公開リストを照会しました。結果は「該当なし」でした。店を先に開業したホテルの先輩が「引き継ぐ前に処分の履歴は必ず調べておけ」と教えてくれたおかげでした。その方は照会画面をキャプチャして残していました。
6月16日、契約書に判を押しました。
6月26日、区庁が営業停止処分の事前通知書を前オーナーの自宅住所へ書留で発送しました。
7月1日譲渡、7月3日引き渡し。
時系列を並べると、一つのことが鮮明になりました。公開リストに何もなかったことは、不思議なことではありませんでした。処分がまだ下される前だったからです。公開リストに載るのは確定した処分です。点検で摘発され、事前通知が出るまでの期間は、どこで照会しても現れない区間です。このオーナー様はできる限りの確認を行い、その確認では分からない時点だったのです。
そして事前通知書は、契約書に判を押した後に、店ではなく前オーナーの自宅へ届きました。
しかし、それがすべてではありませんでした。

"受け取ったものはありません"という回答
メッセンジャーのキャプチャを一枚ずつめくっていくと、6月14日の会話で止まりました。
契約の2日前、オーナー様が前オーナーにこう尋ねました。「もしかして、営業停止や過料を受けたことはありますか?」前オーナーの返答は短く、「受けたものはありません。クリーンです」でした。
その時点で、前オーナーは点検確認書に署名してから約2週間が経過していました。ただ、処分書を「受けた」ことは本当にありませんでした。事前通知書ですら、それよりも14日後に発送されたからです。嘘だと断定することはできない回答でした。同時に、違反の事実を知らせる機会があったにもかかわらず、知らせなかった回答でもありました。
この会話は、この事件において最も重要な資料となりました。第78条の但し書きが求めるのは、「譲受する際に知らなかったこと」を証明することです。知らないことは本来、証明するのが難しいものです。ないことを示さなければならないからです。しかし、この会話には譲受人が先に問い、譲渡人がないと答えた記録が日付と共に残っていました。聞かずに済んだ人と、聞いて「ない」という答えを聞いた人は異なります。
オーナー様はこの会話を大したことではないと考えていました。契約前に必ず聞く質問だったからです。電話相談の際にこの話が出てこなかったのもそのためでした。キャプチャを送っていただいた理由は、私が「お店に関するやり取りのメッセージはすべて」とお願いしたためでした。些細に見える記録ほど、捨てずに集めておくのが良いのです。

角印と実印の間
いよいよ前オーナーに会わなければなりませんでした。地位承継の届出には譲渡人の印鑑証明書が必要であり、意見提出に使う事実関係も前オーナーに確認する必要があったからです。
オーナー様が何度か連絡した末、木曜日の午前中に店で3人で会うことになりました。前オーナーは50代後半で、この場所で9年間クッパを売ってきたと話しました。店を譲ったのは腰の手術のためでした。電話に出なかった理由を尋ねると、恥ずかしくてそうしたと言いました。
印鑑証明書をお願いすると、前オーナーは鞄から一つ判を取り出しました。大きく四角い、店名が刻印された角印でした。
「これでいいんじゃないですか? 9年間これで全部やってきました。」
9年間、取引先の領収書や納品確認書にはその角印が押されてきたはずです。しかし、印鑑証明書は住民センターに届け出ている個人の実印でなければ発行できません。前オーナーは実印は家の引き出しのどこかにあるだろうと言って、角印を戻しました。そして一言付け加えました。「この店の印鑑はもう主人が変わるのだから、これは新しいオーナーに渡さなきゃいけないね。」オーナー様はその角印を受け取りませんでした。新しい店名で新しく作るからと言いました。その日、3人は初めて一緒に笑いました。
その角印の騒動のおかげで会話が少し和らみ、問題はその後に現れました。

廃業届の1つが変えかけたもの
席を整理しながら、前オーナーが通り過ぎるように言いました。「明日、税務署に行って廃業の届出をするつもりです。区のことも一緒に一度にできると聞きました。」
その言葉に、私は一瞬動きを止めました。
税務署に事業者の廃業申告をする際、営業申告などの認可廃業申告を同時に処理できる方法があります。一度に済むので便利です。通常、店を完全に畳む方にとっては良い制度です。
しかし、このケースは異なりました。譲渡人が区役所の営業申告を廃業処理してしまうと、その営業申告は消滅します。引き継ぐ営業者の地位がなくなるのです。そうなると、現在のオーナーは地位承継ではなく、新しく営業申告をしなければなりません。新しい申告は、現在の基準で書類と施設を改めて整える必要があり、申告後の施設確認の手続きも伴います。7月末の開業は難しくなり、申告期限の逆算表も最初から作り直さなければならなかったはずです。
事業者登録は人を追うものなので、前オーナーは税務署で廃業を、現在のオーナーは新しく事業者登録を行うのが正しい流れです。紛らわしいのはまさにここです。税務署側は終わらせなければならず、区役所側の営業申告は終わらせてはいけないのです。同じ「廃業」という言葉の中に、逆の方向の2つの手続きが含まれているのです。
そこで、順序を次のように再設定しました。①地位承継の申告を先に受理させ、②前オーナーは税務署で事業者の廃業のみを行い、認可同時廃業の欄は空欄にしておくことにしました。
あの日、前オーナーが明日税務署へ行って「一度に」処理していたらどうなっていたでしょうか。申告書の欄の一つが、一ヶ月のスケジュールを変えることができたのです。

工事は承継の後に
絡み合った問題がもう一つありました。今度はオーナー側でした。
オーナーは開業前に厨房を広げる計画でした。店の裏側に前オーナーが倉庫として使っていたスペースがあり、壁を取り払って調理台を増やし、出汁の鍋をさらに2つ置きたいと言いました。内装業者から見積もりも受けていた状態で、来週から工事を開始する予定でした。
私は工事のスケジュールを一時的に延期するようお伝えしました。理由は2つありました。
第一に、地位承継は申告された施設をそのまま引き継ぐ手続きです。申告書類の処理が行われている最中に営業場の構造が変われば、申告内容と現場が乖離してしまいます。営業場の面積のように申告した事項を変更する場合は、別途変更申告を行う必要がありますが、これは変更した日から7日以内に行わなければならないと定められています。承継申告を先に済ませ、工事の後に変更申告を行う順序がスムーズです。
第二に、倉庫部分が飲食店として使用できる空間なのかを確認する必要がありました。建築物台帳を取り出してみると、店舗がある1階のうち、前方の営業エリアは飲食店用途となっていましたが、後方の倉庫部分は別の用途で登録されていました。壁を取り払って営業場として使うには、まず用途の問題を解決しなければならなかった可能性があります。
一つ安心な点もありました。広げた後に営業面積が100㎡を超れば多重利用施設の該当有無を検討する必要がありますが、この店舗は地上1階で、主な出入り口が外の道と直接つながっていました。このような営業場は、面積が広くても多重利用施設から除外される規定があります。少なくとも、消防の完備証明のためにスケジュールが遅れる心配は減りました。
工事は結局、開業の後に延期しました。オーナーは少し残念そうにしながらも、鍋を2つ増やすことよりも、予定通り門を開けることの方が先決であることに同意されました。

2つの書類、2つの封筒
7月21日月曜日、2つのものを同じ日に提出するものの、別々に提出しました。
一つは地位承継の申告書でした。譲渡譲受契約書の写し、前オーナーの印鑑証明書、オーナーの衛生教育修了証と健康診断結果書などを揃えました。ここには処分に関する話を一言も入れませんでした。地位承継の申告は要件を満たしているかを見る手続きであり、進行中の処分をどうするかは別の手続きで判断する問題だからです。二つの話を一つの書類に混ぜてしまうと、担当者が処分の判断が終わるまで申告の処理を保留する余地を与えてしまう可能性がありました。開業日を守るためには、申告は申告の通り、先に処理される必要があったのです。
もう一つは意見提出書でした。第78条の但し書きに該当するという主張を盛り込みました。ここには3つのポイントを入れました。
① 日付の前後関係です。点検は6月5日、契約は6月16日、事前通知の発送は6月26日。契約当時、この処分に関する文書は世の中に存在しておらず、その後の通知は譲渡人の自宅へ届きました。発送記録は担当部署がすでに保有している資料であるため、私たちは日付を表にまとめ、照らし合わせやすいように整えました。
② 譲受人が自ら確認した形跡です。6月12日の行政処分公開リストの照会キャプチャと、6月14日のメッセンジャーでのやり取りです。譲受人ができる限りの確認を行い、譲渡人に直接確認した際に「ない」という回答を得たことを示す資料でした。
③ 譲渡人の確認書です。前オーナーに対し、契約の際に点検の事実を譲受人に伝えていなかったという内容を事実通りに書いていただくようお願いしました。簡単な依頼ではありませんでした。しかし、前オーナーは長く迷うことはありませんでした。9年間営んだ店を引き継ぐにあたり、新しいオーナーの開業を台無しにするような人間になりたくないと仰ったのです。確認書は前オーナーが直接書かれ、私たちは事実関係がぼやけないよう、日付と項目のみを整理してお渡ししました。
そして最後に、一文を付け加えました。もし、条件に該当しないと判断された場合でも、新しい営業者が原料保管基準を守るために講じた措置を考慮してほしいという内容でした。オーナーは開業前に問題の冷蔵庫を新しいものに交換し、原料別の入庫日を記す管理台帳を作成しました。営業停止の代わりに過徴金で代用できる制度があることも併せて記載しました。最初の主張が受け入れられなかった場合に備えた、二番目の布石でした。
契約書の特約は意見提出書の根拠としては入れませんでした。前述の通り、特約は二人の間の約束に過ぎず、区の判断基準ではないからです。特約は、後で起こるかもしれない金銭的な問題を二人が整理する際に使われる書類です。

受理通知、そして4週間の待ち時間
水曜日の午後、地位承継の申告が受理されたとの連絡がありました。営業届出書の営業者の名前がオーナーの名前に変わりました。期限として設定していた7月末よりも1週間ほど早かったです。
7月28日月曜日、お店は予定通り開店しました。ホテルの後輩もその日から出勤しました。初日は、もともとこの店に通っていた近所の年配の方々がほとんどだったそうです。クッパの味が少し変わったという話も聞いたそうです。オーナーはその言葉を褒め言葉として聞いたのか、心配として聞いたのか、しばらく悩んだそうです。
意見提出に対する回答はすぐには来ませんでした。担当部署は、譲受人の意見と譲渡人の確認書、発送記録を合わせて検討すると言いました。その間、オーナーは毎日店を開けながら結果を待たなければなりませんでした。営業停止の決定が出れば、ようやく落ち着き始めたお店が止まってしまうからです。その数週間が、オーナーにとっては最も長く感じられたことでしょう。
私はその間に、結果が良くない場合に備えて次のステップを整理しておきました。処分が下された場合にいつまでにどのような不服申立ての手続きを踏めるのか、過徴金への転換を再度請求できるのかを、日付とともに一枚の紙にまとめてオーナーに渡しました。結果を待つ間、できることは、次の手をあらかじめ知っておくことだけでした。
8月第3週の火曜日、返信が届きました。

返信に書かれたことと書かれなかったこと
返信の要旨はこうでした。譲受人が譲受の際に違反事実を知らなかったことを認めることができるため、この件の処分手続きを譲受人には引き継がないという内容でした。
担当部署が何を根拠に判断したかも大まかに推測できました。判断の中心は「日付」でした。契約日が事前通知の発送日よりも前であったこと、そして譲受人が契約前に公開リストを照会し、譲渡人に直接確認したという記録が共に提出されたことです。譲渡人本人の確認書がその流れを裏付けました。
一方で、返信に書かれなかったこともありました。契約書の特約は判断の根拠として言及されませんでした。予想通りでした。過徴金への転換の要請も、第一の主張が受け入れられたことで判断の必要がなくなったのです。そして担当者は電話で、新しい営業者になったので、近いうちに原料の保管状態を一度確認しに行く旨を付け加えました。新しい冷蔵庫と入庫日台帳が、その時に使われる番でした。
振り返ってみれば、この件を解決したのはたった一つの要因ではありませんでした。期限を保守的に設定したこと、窓口で聞いた言葉を書面で確認したこと、前オーナーの廃業申告の順序を突き止めたこと、工事を後回しにしたこと、二つの書類を分けて提出したこと、そしてオーナーが契約前に行った一度の照会と一文の質問。それらの断片が正しい位置に置かれた時、結果が出たのです。
その中でも最も大きかったのは、おそらく最後の二つでしょう。それは私がしたことではなく、オーナーが契約書に判を押す前に行ったことでした。

クッパ二杯
9月第一週、オーナーが書類を取りに事務所へ来られました。意見提出書の写しと回答文書を一つのファイルにまとめてお渡しすることになっていたからです。
手には保温バッグを一つ持っておられました。🍲 それはクッパ二杯でした。一つはホテルの頃のやり方で、もう一つは前オーナーのやり方で煮込んだものだそうです。近所の年配の方々が「昔の味」を求めるため、二つを交互に出しているのですが、どちらが良いのか分からないというのです。どちらも美味しいと申し上げたところ、それが一番役に立たない回答だと言って笑っておられました。
前オーナーは開業第一週に一度だけ店に立ち寄ったそうです。腰のベルトを装着して来られ、出汁の鍋の蓋を開けて見て、塩を少し減らすようにという言葉だけを残して去られたそうです。鍋の二つについては、来年の春頃を考えているそうです。
奥様は8月に復職され、子供たちは週末ごとに店の隅のテーブルで宿題をするとおっしゃいました。ホテルの後輩は、今は夜明けの出汁を一人で担当しているとのことでした。
店を引き継ぐということは、看板と鍋と常連客を共に引き継ぐことです。その中には目に見えない履歴も混ざり込んできます。その履歴を見極めることは、契約書の一文ではなく、日付と順序を一つずつ遡ることから始まることが多いのです。
残しておくいくつかのこと
📌 仁川延寿区をはじめ、どこで飲食店を引き継ぐ際も、順序をこのように確認してみてください。
① 契約前に処分履歴を照会し、譲渡人に直接問い、記録を残してください。 公開リストには確定した処分だけが載ります。点検で摘発されたものの、まだ処分が出ていないものは見えない可能性があります。最近点検を受けたことがあるかまで聞き、回答をメッセージとして残しておくと良いでしょう。
② 地位承継の申告は、引き継いだ日から1ヶ月以内に行ってください。 契約書上の譲渡日と実際の引渡日が異なる場合は、早い方を基準にする方が安全です。譲渡人の印鑑証明書、譲受人の衛生教育修了証など、準備すべき書類を事前に確認してください。
③ 譲渡人は、区庁の営業申告を先に廃業してはいけません。 税務署の事業者廃業と区庁の営業申告廃業は異なる手続きです。営業申告を廃業すると、承継する対象が消えてしまい、新たに申告しなければならない可能性があります。
④ 工事は承継の後に、広げるスペースは建築物台帳から確認してください。 申告した事項が変われば、7日以内に変更申告が必要であり、新しく営業場として使うスペースは用途が合っているかを確認しなければなりません。
⑤ 進行中の処分がある場合は、意見提出の段階を見逃さないでください。 処分が下される前に事実関係を整理できる機会です。契約書の特約は当事者間の約束に過ぎず、処分の判断を代行するものではありません。
営業者の地位承継申告の備付書類、衛生教育基準、処分の承継の有無に関する判断は、管轄機関や個別の事情によって異なる場合があります。案件ごとに要件が異なるため、個別の確認が必要です。
この文章は実際の相談事例を基に再構成したものであり、登場する人物・商号・地名・数値は特定の個人や事件とは無関係です。
仁川松島(ポスコタワー松島)に位置する行政書士事務所です。仁川延寿区を含む近隣地域の行政審判・認可/申告代行、外国人の出入国(ビザ・滞在)、定期的な行政管理を扱います。飲食店の譲渡受領は、契約書よりも申告と廃業の順序を先に合わせることで結果が変わるケースが多くあります。
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黄允相 行政書士事務所
📍 仁川 延寿区 コンベンシア大路 165, ポスコタワー松島 2697号
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※ 理解を助けるために再構成した架空の事例です。
