10月1日の行政ブリーフィングにて、国家有功者傷病等級基準の改正案が立法予告されたというニュースを短くお伝えしました。その際は、どの等級がどのように変わるのかを確認できなかったため、「原文確認が必要」として残していましたが、今回、国民参加立法センターに掲載された施行令・施行規則改正案の原文(新旧対照表)を直接確認しました。報道にあるような「緩和」だけの改正ではないため、身体検査を控えている方は、内容を分けて確認する必要があります。
1. 指の欠損・親指関節障害、7級の認定範囲拡大

施行規則別表4(身体部位別傷病等級の決定)のうち、「腕および指の障害」第7級の項目が次のように変更されます。
| 分類番号 | 現行 | 改定案 |
|---|---|---|
| 7311 2) | 第2指を遠位指節関節(末端の指の関節)以上で失った人 | 第2・第3・第4指のうち1本を遠位指節関節以上で失った人 |
| 7311 3) | その他の指を近位指節関節(付け根の指の関節)以上で失った人 | 小指を近位指節関節以上で失った人 |
| 7311 4) | (なし) | 親指の末節の2分の1以上を失った人(新設) |
| 7312 2) | (なし) | 片手の親指が関節1個において可動域が2分の1以上制限されるか、または固着した人(新設) |
- 核心: 現在は第3・第4指は近位指節関節(付け根の関節)以上を失わなければ第7級でしたが、改定案では遠位指節関節(末端の関節)以上の欠損であれば第7級とみなされます。親指は関節2個以上の制限が必要でしたが、関節1個が半分以上制限されるだけでも第7級に含まれます。
- あわせて整理される項目: 施行令別表3の第7級 7315(親指・第2指を除いた指2本以上を遠位指節関節以上で失った人)は削除されます。第3・第4指を1本失っただけでも7311に該当することになるため、重複する項目を削除するものと思われます。
- 国家報勲障害診断書の発行機関: 書面審査の対象となる障害診断書を発行できる病院に、国立消防病院が追加されます(施行令第13条第2項第1号)。
2. 腕・脚の関節障害 第6級 第2項は「片腕」から「両腕」へ

今回の改正案で最も注意深く見るべき部分です。
- 6級2項 7121(腕): 現行「片腕の3大関節のうち2関節の可動域がそれぞれ4分の1以上制限された人」→ 改正案「両腕の3大関節のうち2関節…」
- 6級2項 8119(脚): 現行「片脚の3大関節のうち2関節に機能障害(可動域4分の1以上制限、靭帯損傷による不安定性が10mm以上、変性変化KL grade Ⅲ以上)がある人」→ 改正案「両脚の…」
文言だけを見ると、片方の腕や脚だけに障害がある場合、6級2項に該当することが難しくなります。その場合、どの等級で判定されるのかについては、今回の改正案の公告文だけでは確認できません(⚠️ 原文の確認が必要)。国家報勲部は改正の理由を「他の部位の傷病等級との公平性を考慮した緩和・調整」であると明らかにしました。
測定方法も厳格になります。 腕・脚の関節可動域を評価する際、単純な画像検査と身体的検査を基本とし、能動・受動可動域の差が大きい場合や、測定結果が傷病部位と一致しない場合は、CT・MRIなどの軟部組織画像検査で確認する必要があります。再測定や追加検査を行っても不一致が解消されない場合は、その可動域制限は等級判定の根拠として使用しません。
3. 胸腹部・脊椎の基準も修正されました
- 非小細胞肺がん3A期: 6級3項(5110)から外れ、6級2項(5108)に上がります。1期・2期は6級3項のままです。
- 単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS): 6級3項の根治的治療項目から外れ、診断後の経過観察中の人を7級(5111)として認める項目が新設されます。
- 椎間板ヘルニア「明らかな神経圧迫」: MRI・CTにおいて、脱出(extrusion)・分離(sequestration)、馬尾神経根周囲の脳脊髄液信号の消失、神経孔狭窄による神経根変形のうち一つが確認され、その分節が臨床症状・神経学的診察と一致する場合と定義します。
- 強直性脊椎炎: 画像検査で高度の仙腸関節炎(Grade Ⅳ)が確認された場合、7級(6109)として認める準用規定が新設されます。
いつから、誰に適用されるのか
- 段階: 立法予告(施行令国家報勲部公告 第2026-251号、施行規則 第2026-252号)、意見提出 2026. 9. 30.~11. 9.
- 施行日: 両改正案ともに公布した日から施行します。公布の時期はまだ決まっていません。
- 適用対象: 変更された別表は、施行後の身体検査(国家有功者法 第6条の3)を受ける人から適用されます。すでに判定を受けた方には遡及適用されません。
- 意見提出: 国民参加立法センターオンライン、または国家報勲部審査基準課(郵便・電子メール・ファックス)
身体検査を控えている方が今確認すべき点
- 指の欠損により等級未達の判定を受けた方: 第3・第4指の末節欠損、親指の末節半分欠損、親指関節一つの運動制限であれば、改正施行後に再確認身体検査の申請を検討する価値があります。再確認身体検査は、判定日から2年が経過しているか、再発・悪化などの理由がある場合に申請できるため、直前の判定日をまず確認してください。
- 片腕・片脚の関節2箇所障害で6級2項を期待している方: 改正案がそのまま確定した場合、同じ状態であっても6級2項に該当しにくくなる可能性があります。新規・再確認の身体検査の予定が入っている場合は、施行の前後によって適用基準が異なる可能性があることを念頭に置いてください。
- 関節障害の共通事項: 運動範囲の測定値と画像所見が一致していなければ認められない構造になります。診療記録にX-rayだけでなくMRI・CTの所見があるか、測定角度が記録されているかを整理しておくと良いでしょう。
行政士事務所の業務内容
黄允相(ファン・ユンサン)行政士事務所は、国家有功者・報勲補償対象者の登録申請書と公務関連の経緯資料の整理、再確認身体検査・再審身体検査の申請書の作成および提出代行、傷病等級の判定に対する異議申立て書と行政不服申立ての請求書の作成を承ります。登録手続きについては 国家有功者・報勲補償対象者の登録申請手続きと準備書類 にまとめてあります。
要約
- 第3・第4指の末節欠損、親指の末節半分欠損、親指関節一つの運動制限が7級に新設されます。
- 腕・脚の3大関節のうち2関節の障害による6級2項は、「片腕(脚)」から「両腕(脚)」に変わり、運動範囲が画像所見と一致しない場合は判定の根拠として用いられません。
- 公布日から施行され、施行後の身体検査を受ける人から適用されます。意見は11月9日まで提出可能です。
出典: 国民参加立法センター · 国家有功者法施行令一部改正案(国家報勲部審査基準課), 国民参加立法センター · 国家有功者法施行規則一部改正案
本記事は黄允相行政士事務所が公開された資料に基づき整理した行政動向の案内です。個別事案への適用可否については、管轄機関への確認が必要です。
