「特定建築物の整理に関する特別措置法」(法律第21820号)は12月17日に施行されます。9月27日の記事で対象要件をまとめながら「届出期間は施行令が出たら改めて確認する必要がある」と記載しましたが、国土交通部が9月30日にその施行令制定案を立法予告しました(国土交通部公告第2026-1241号)。法律が施行令に委ねていた届出期間、提出書類、消防基準が、今回初めて数値として示されました。
1. 届出期間と提出書類

届出期間(案第4条): 2026年12月17日から2028年6月16日までです。施行令も2028年6月16日までのみ効力を有し、その前に届出が受理された建築物は、期間終了後も本施行令の適用を受けます(附則第2条・第3条)。
提出書類(案第6条): 別紙第1号様式特定建築物届出書に以下の書類を添付して、市長・郡守・区長に提出します。
- 建築士が作成した設計図書(配置図・平面図・立面図・断面図)
- 建築士が作成した現場調査書(別紙第2号様式)
- 敷地の範囲とその敷地の所有または使用権を証明する書類
設計図書は、許可・届出なしに建てられた建築物であれば建物全体を、許可は受けているが異なる施工がなされた建築物であれば許可・届出時の図面と異なって施工された部分のみ作成します。届出書の様式上の処理期間は30日であり、届出書には違反区分(新築・増築・大改築・用途変更など)と階別違反床面積、履行強制金賦課回数・賦課金額・納付金額を記入する欄があります。
現場調査書を公務員が代筆する場合(案第5条): 「農漁村整備法」に基づく生活環境整備事業、「自然災害対策法」に基づく災害復旧事業のような国家施策事業に含まれる建築物は、市長・郡守・区長が作成した現場調査書をもって届出に代えることができます。
2. 道路30m・消火栓20m、消防上の支障がない建築物の基準

法律は、土地と道路の関係のような「建築法」の基準に違反した建築物であっても、消防上の支障がないと認められれば、追認(合法化)できるようにしました。施行令案第7条では、市長・郡守・区長が消防署長と協議し、次のいずれかに該当すればそのように認められることができると定めています。
- 幅員 4m以上の道路 境界線から 30m以内 に建築物の全部または一部が入る建築物
- 他の施設物などに設置された 消火栓から20m以内 に建築物の全部または一部が入る建築物
- 公園・河川・広場・子供遊び場・公共空地・緑地など、建築が許可されていない空地に接する土地の建築物
行き止まりの路地のように接道要件が問題となっていた住宅であれば、まずはこの距離基準から地図で再確認することが順序です。
3. 対象から外れる区域、条件付き使用承認

常習災害区域・環境整備区域(案第3条): この区域内の特定建築物は、特別措置の対象から除外されます。市長・郡守・区長が地方議会の同意を得て指定し、基準は以下の通りです。
- 常習災害区域:洪水・高潮・満潮などにより直近5年間で1回以上の浸水被害があった地域のうち、同様の被害が予想される場所、排水施設がない、または不足している河川沿い、高さ5m以上の不良擁壁・傾斜地で崩壊被害が出た場所など
- 環境整備区域:環境汚染の防止、都市美観・生活環境の整備が必要であると認める地域など
指定されると、区域名・位置・地番・面積が公報と日刊紙に公告されます。まだ指定前であるため、管轄の市・郡・区がこの区域をどこに定めるか、公告を注視する必要があります。
条件付き使用承認(案第8条): 過料や履行強制金を全額納付できなかった場合、条件付きで使用承認書を発行することができます。この場合、建築物台帳に「過料・履行強制金完納条件」と履行期限を明確に記載します。未納額がある場合、使用承認の後もその条件が台帳に残ることを意味します。
多世帯住宅の専用面積(案第2条): 法律の「世帯当たり専用面積85㎡以下」の基準は、「住宅法」に基づき算定した居住専用面積とみなします。
いつから、誰に
- 段階: 立法予告、意見提出 2026. 9. 30.~11. 9.(国土交通部 建築政策課)
- 施行: 公布した日から。法律施行日(12月17日)に合わせて公布される見込みですが、公布日は ⚠️ 原文確認が必要
- 対象: 2023年12月31日時点で事実上完成した小規模居住用違反建築物の建築主・所有者、その家を購入した方または賃貸で住んでいる方
今準備すること
- 完成時点の証拠: 2023年12月31日時点で既に建設されていたことを示す資料(航空写真、履行強制金賦課内訳、賃貸借契約書、電気・水道の使用記録など)を集めておいてください。
- 履行強制金の詳細整理: 申告書に賦課回数・金額・納付額を記載する必要があるため、通知書と納付領収書を事前に準備しておくと作成がスムーズになります。
- 敷地権利の確認: 他人所有の敷地や国・公有地の上にある場合は、使用承諾(集団建築物法に基づく決議を含む)書類が必要です。
- 道路・消火栓の距離確認: 接道要件が不足している物件の場合は、4m道路から30m、消火栓から20mの基準を満たしているか先に確認してください。
行政士事務所の業務内容
黄允相(ファン・ユンサン)行政士事務所は、特定建築物特別措置法の対象かどうかの事前点検、特定建築物申告書の作成と添付書類の整理、市・郡・区への提出代行を承ります。履行強制金賦課処分に対する意見書と行政不服申立て請求書の作成も併せて行います。対象要件は 違反建築物の合法化特別措置法 — 申請対象・手続き・費用 でご確認いただけます。
要約
- 違反建築物の合法化申告期間は、2026年12月17日から2028年6月16日までです(施行令制定案)。
- 申告書に建築士が作成した設計図書・現場調査書と敷地権利の証明書類を添付して、市・郡・区に提出します。
- 4m道路から30m・消火栓から20m以内の建築物は、消防上の支障がないと認められることがあり、未納の過料・履行強制金は建築物台帳に条件として記録されます。
出典: 国民参与立法センター ・ 特定建築物の整理に関する特別措置法施行令制定案(国土交通部 建築政策課)
本記事は黄允相行政士事務所が公開された資料を基にまとめた行政動向の案内です。個別案件への適用可否については、管轄機関への確認が必要です。
